肺がんよくある質問FAQ

監修:WJOG専務理事 医師 中村慎一郎

分からないこと、不安に思うことなど、よくある質問に専門医がお答えしています。

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 肺がんとは(4)
肺がんは遺伝しますか?
肺がんに限らず、ほとんどの「がん」は遺伝しません。
一般に言う「遺伝」とは身体の設計図を子孫に伝えることです。「設計図を伝える」役目は生殖細胞のみが受け持ちます。肺の細胞はその役目を受け持ちません。だから、肺の中にある細胞が「がん」になったとしてもその細胞に起こった「がんになるような設計図の変化」は子孫には持ち越されないのです。
一方で、肺がんを含めて「がん」と言う病気は遺伝子の病気と考えられています。
遺伝子の本来の役割とは細胞の設計図として働くことです。赤血球を除くすべての細胞は人の身体を構成するための全設計図のコピーを持っています。この設計図の本体はDNAであり、細胞の中の核に含まれています。
この設計図は化学物質なので外部の影響によってエラーが発生することがしばしばあります。設計図にはこのようなエラーを修復するシステムも備えられているのですが、そのシステムさえもがエラーを起こしたり、余りに多くの強力なエラーが蓄積したりすると「致命的エラー」となります。
ここで「致命的エラー」を起こした多くの細胞は単純に細胞が死んでしまうだけで全体の身体には影響を及ぼさないのですが、まれに「無制限の増殖能力」を身につけた細胞になってしまうことがあります。このような突然変異細胞は通常、身体の持っている免疫システムによって排除されるようになっているのですが、これまた「まれに」その免疫システムが働かないことがあります。こうしてがんが発生します。こういうわけで「がん」は細胞の設計図「遺伝子:DNA」の病気なのです。

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肺がんには様々な分類方法があると聞きましたがどのようなものですか?
分類の方法自体に何種類かあります。検査あるいは手術の結果手に入った病理組織を顕微鏡で見て分類する病理組織分類、CTやMRIなどで検査して分かる病気の進行度による病期分類、最初に発生した場所による分類などです。
肺がんの分類で重要なものは病理組織分類です。特殊なものも少しありますが、ほとんどの肺がんは病理組織(組織型)で4種類に分類されます。扁平上皮がん、腺がん、大細胞がん、小細胞がんです。この中で小細胞がんだけ少し性質が変わっているので他と区別し、他の3種類(扁平上皮がん、腺がん、大細胞がん)を非小細胞がんと呼びます。小細胞がんは他の組織型よりも進行が早く、その代わりに放射線や抗がん剤に対する感受性が高いのです。この結果、治療法の選択も少し違います。

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病期分類とは何ですか?
がんは転移したり浸潤(隣の組織に食い込むこと)したりします。この状況をCT、MRI、アイソトープ検査などで把握して、それによって病期(がんの進行度合い)を判断するのです。1期、2期、3期および4期に分類し、1期から3期まではさらにaとbに細分化します。この分類は約10年の間隔で再検討されます。
病期分類は組織型とともに治療選択の基本となります。
肺がんの中で割合の多い組織型である非小細胞がん(腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)について言えば、1期、2期は原則として手術を優先して考える。(あくまで「考える」です。全身の状況によって手術をするべきではない場合もあります)4期は抗がん剤を中心に治療法を考える。3期は個別の状況によって手術、放射線、抗がん剤を組み合わせる。
現在3期の治療法については研究が盛んですが、治療法の組み合わせ方について十分に確立したものはありません。

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「原発性肺がん」と「転移性肺がん」の違いを教えてください。
肺がんは肺の細胞から発生したがんで、正確には「原発性肺がん」といいます。これに対して、乳がんや大腸がんのように、ほかの臓器に発生したがんが肺に転移した場合を「転移性肺がん」といいます。
転移性肺がんは最初に発生した臓器の特徴をもっているため、原発性肺がんとは治療方法などが異なります。検査法も多少違いが出ることがあります。たとえば、大腸がんが肺に転移した場合は、肺がんではなく大腸がんの治療方針にそった治療を行うことになります。それとは逆に、肺がんが大腸に転移した場合には、大腸がんとしてではなく、肺がんの治療方針にそった治療を行います。

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